勉強会)コンクリート品質確保に関する講習会

テーマ:【山口方式によるコンクリートひび割れ対策  と 東日本大震災復興工事における品質確保への展開】
講師:福井工業高等専門学校 校長  田村隆弘先生
日時:令和4年7月8日(金) 18:00~19:30

会場:ザ・グランドパレス 徳島

参加費無料

コンクリート品質確保、特にひび割れ対策として全国に広がりをみせている山口方式のきっかけとなった「コンクリートよろず研究会」の主催者である田村先生をお迎えして、コンクリート土木建築における

1)コンクリートのひび割れ対策
2)山口方式の仕組み
3)東日本大震災への展開

について、ご講義いただきました。

1)コンクリートのひび割れ対策
ひび割れ原因と、その効果的なひび割れ対策をご説明をいただきました。
また、構造物によっては、ひび割れ無しを目指すとオーバースペックとなるため、無害なひび割れは許容する、またはひび割れの集中や、ひび割れの分散により無害なひび割れへと導きます。

2)山口方式の仕組み
山口県では、試験施行を重ねてマニュアルを整備後に、

①山口方式による設計・発注(県、コンサルタント)
②施行マニュアルに従い、施行状況を記録(生コン、施工業者)
③施工結果をデータベースに入力(県)
④データを分析して設計や施行マニュアルに反映(大学、高専)

という産官学によるPDCAが構築されて、マニュアルの精度を高め、設計にも反映していくという仕組みが確立し、実際にひび割れが減少しました。
山口方式は、新潟県、群馬県でもその取組が支持され、運用されています。

※品質確保ガイド、施行状況チェックシートは山口県のホームページよりダウンロード可能です。

3)東日本大震災への展開
震災復興工事では、急いで工事を完成させることが最優先である空気の中、山口方式の有識者が粘り強く説得にあたり賛同者を増やして品質確保も実施するに至ったことや、熱心な技術者が独自の方法で品質向上に取り組んだことなど、南海地震を控えている徳島でも大変参考になるお話をお伺いすることができました。


18時開始という仕事が終わってからの遅い時刻にも関わらず、生コン業者だけでなく、建設業者、セメントメーカー、混和剤メーカー、高専の先生方、徳島県土整備部からと様々な立場からテーマに興味ある方々が集まり、参加者全員が熱心に聞き入った良い勉強会となりました。